玄米を食べると良い理由
海外の少しリッチなホテルの朝食には、ブラウンライスサラダ(玄米サラダ)が並んでいる。
日本人より、むしろ海外のセレブ達の方が玄米を食べている。
白米の方が柔らかくて香りも良くて美味しいのに、なぜ?
その理由をまとめてみました。
目次
- ○ 世界で注目されている玄米とは
- ・アメリカで玄米に注目
- ・戦時中、白米で栄養不良
- ・動物は本能的に玄米が好き
- ○ 玄米の食物繊維
- ・不溶性食物繊維が腸の大掃除
- ・不溶性食物繊維が心臓病予防に
- ○ 玄米のGABAが脳にも血管にも良い
- ○ 抗がん作用
- ・IP6(フィチン酸)
- ・アルファーグルカン
- ・アラビノキシラン
- ○ 肥満、糖尿病予防
- ・ガンマオリザノール 肥満、糖尿病の予防
- ・フェルラ酸 美白効果
- ・イノシトール コレステロール効果
- ○ まとめ(食べ方に注意も必要)
世界で注目されている玄米とは
玄米に馴染みのない方にとっては、「玄米」を見たことがない方もいます。
玄米は、稲からもみ殻を取り除き、胚芽や表皮が残っている状態の米です。ビタミン、ミネラル、食物繊維、そのほかたくさんの有効成分を含んでいます。
玄米を水につけておくと芽が出てきます。白米からは出てきません。芽が出るための栄養をちゃんと備えているのが玄米です。
ニワトリの卵も有精卵であれば、温めるとひよこが生まれてきます。命が誕生するために必要な栄養が入っているということですね。
玄米には、命を育てる栄養があるにもかかわらず、その栄養を取り除いて食べているのが白米です。白米の方が柔らかくて美味しいからですね。
美味しく食べるために、栄養を削っている分、おかずで不足分を補わなければいけません。もったいないですね。玄米も上手に炊けば美味しく食べられます。麹で発酵させた玄米の健康食品なら腸の弱い人でも、玄米の栄養を摂ることができます。
アメリカで玄米に注目
アメリカでガンや心臓病などが増加していた頃、日本の玄米菜食=マクロビオティックが注目されました。
ガン予防の可能性を示す約40種類の「デザイナーズフーズ計画」に玄米が入っています。米国の積極的な取り組みの結果、アメリカ人の食生活が改善傾向となり、病気が減っていきました。一方、日本は食の西洋化で病気が増えているという矛盾。
アメリカでは、ブラウンライスとして、玄米ダイエットも流行りました。
写真は2019年に撮影したベトナムのフランス系ホテルの朝食です。たくさんのサラダの中に「ブラウンライスサラダ」もありました。
歌手のマドンナも長年マクロビオティックを取り入れており、お抱えのシェフだったのはマクロビオティックで有名な西邨マユミさんです。西邨さんは、愛知県出身です。
戦時中、白米で栄養不良
戦時中は、白米で栄養不足になり、日本兵が多く病死。その数は、戦死よりも多かったと聞いています。兵隊さんに美味しい白米を食べさせてあげたかったという理由と、玄米は炊き上げるのに多くの燃料を使うため、燃料の節約のためだったとも。
動物は本能的に玄米が好き
鳥、犬、ねこは白米と玄米を並べると、玄米を選びます。本能的に玄米に栄養があることがわかるのでしょうね。
以前、玄米と塩とヌカで作った「玄米カイロ」を作り、出かける前にお尻の下に敷いて、直腸から温めていました。
そのあと、学生時代にお世話になった方の新居を訪問したのですが、そのお宅のワンちゃんが、立っている私のお尻を鼻でツンツン突くのです。ずっとしつこく鼻を押し付けてくるので、「エッチね〜」と飼い主さんに言われていました。
ワンちゃんも玄米が好きなんだなぁと思った出来事でした。
玄米の食物繊維
玄米は、ほぼ完全食だという人もいるほど、体に必要なものが豊富です。そして、食物繊維も多いです。注目されている玄米の体の中での働きについて見てみましょう。
不溶性食物繊維が腸の大掃除
「食物繊維」という言葉はよく聞きますよね。便秘がちな人には敏感なワードです。
食物繊維には2種類あります。便のカサを増してくれる「不溶性食物繊維」と便を柔らかくする働きがある「水溶性食物繊維」です。
玄米に多いのは、「不溶性食物繊維」です。きのこや豆類、ゴボウ、キャベツ、野菜に多く含まれます。
水溶性食物繊維が多いのは、海藻、リンゴなどの果物、こんにゃくなどです。
玄米に多い不溶性食物繊維が、腸の大掃除をしてくれます。水を含んで大きく膨らみ、カサを増して、腸を刺激し便通を促進してくれます。
食品添加物や農薬の排泄を促しデトックスしてくれるとも言われています。
我が家では、玄米発酵食品をとっていますが、以前と比べて大きな変化があったのは、トイレの汚れ。
べったりとした汚れが全くなくなり、トイレ掃除をする回数が激減。気にならなくなりました。食物繊維が余計なものを絡めとってくれて、たわしのようにトイレを洗ってくれています。
便通は気持ちよく、お腹の中がスッキリ。ゴッソリ出る感じです。私の母も夫の母も、長年便秘に悩んでいましたが、今は快便だそうです。
ただし、不溶性食物繊維の摂りすぎは逆に便秘を悪化させてしまいますので、ご注意を。リンク先のサイトをご参考に。
不溶性食物繊維が心臓病予防に
玄米の不溶性食物繊維は便通をよくするだけでなく、コレステロールも巻き取ってくれます。
コレステロールの吸収を抑え、血液中のコレステロール値を低下させてくれます。
血管の中の血流を妨げるコレステロールが減っていけば、心臓病の予防になりますよね。
玄米の食物繊維がガンもからめとるという人もいます。
玄米のGABAが脳にも血管にも良い
GABA(ギャバ)の正式名称はガンマアミノ酪酸で、頭文字をとってGABAと言っています。
このGABAは、血圧を安定させ、動脈効果を予防すると言われています。
2013年12月にメルボルン世界糖尿病学会で玄米に血糖を改善する効果が発表されました。
2014年5月に日本糖尿病学会で、玄米による糖尿病患者の改善報告がありました。
GABAは脳に良く学習能力をアップすると言われます。頭痛、耳鳴り、意欲低下などの症状も改善してくれます。
玄米発酵食品の健康食品をとり、ヨガをするようになってから、クモの巣のようにぼんやりしていた頭がスッキリし、直感力が良くなりました。
抗がん作用
玄米を食べることで、抗がん作用があると医師たちが認めています。
アメリカ国立ガンセンターのガン予防の可能性がある約40種類の食品の中に玄米が入っています。大豆も入っています。
玄米に抗がん作用があるということが書かれた本があります。
伊藤悦男琉球大学名誉教授の
「がん患者は玄米を食べなさい 」―科学が証明した「アポトーシス&免疫活性」のすごい力
複数の医師が共著している
「医師たちが認めた 玄米のエビデンス」
どんな食品も、効果があるという人と、真逆の意見の人がいます。両方の意見を聞きつつ、一人一人の体で確かめていくしかありません。病気になってからではなく、元気な時に試してみるといいと思います。
IP6(フィチン酸)
玄米のIP6(フィチン酸)が、ガン細胞を正常細胞に戻す力がある
血液がサラサラになる
尿路結石、腎結石を防ぐ
血液凝固を防ぐ働きが、心筋梗塞、脳梗塞を予防
老化防止、脂肪肝を防ぐ
など、と言われます。
このフィチン酸が、体の中の鉄と結びつき体外へ排出してしまうので貧血になるという人がおり、玄米は食べない方がいいという意見があります。
これは、体内の有害物質と結合して出してくれるキレート効果というもので、デトックスしてくれます。必要な鉄を出してしまうわけではありません。
玄米食をしている人は、顔が浅黒くなるとか、健康そうに見えないなどの意見もあります。炊き方や食べ方に少し工夫が必要で、無理をして食べていると胃腸を荒らしてしまうこともあります。ブログの中で、ご紹介していきます。
アルファーグルカン
米ぬかにあるアルファーグルカンは、抗がん作用が強いと言われています。
ガンをアポトーシス(※)に導く。
マクロファージ、樹状細胞を活性化し、インターロイキン(※)、インターフェロン(※)を働かせる。
※アポトーシス・・・細胞が自ら死ぬこと。
※インターロイキン・・・白血球によって分泌され、細胞間のコミュニケーション機能を持っている
※インターフェロン・・・ウイルス増殖阻止、細胞増殖抑制、免疫系・炎症の調節をする
アラビノキシラン
アラビノキシランが、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化し、ガンと戦ってくれるようです。
肥満、糖尿病予防
「玄米を食べ出したら、唐揚げとか油っぽいものが欲しくなくなったんだよね」と、長年ダイエットを試してもなかなか成功しなかった人が話していました。
無理せず、自然に食の嗜好が変わるのはいいですよね。
ガンマオリザノール 肥満、糖尿病の予防
ガンマオリザノールは、体内に吸収されると、主に神経系に入ると言われます。
抗ストレス作用や自律神経失調症の予防になるようです。
油ものは美味しく感じます。その欲求が強いと、どんどん油ものを食べたくなって肥満になりやすいのですが、その高脂肪食への欲求をやわらげてくれるのがガンマオリザノールです。
コレステロールの吸収を抑制してくれるのもダイエットにいいですね。アディポネクチンという痩せホルモンの分泌を強めてくれる働きもあります。
アレルギーや炎症を抑える作用もあるようです。
琉球大学の益崎教授が、ガンマオリザノールが、肥満や糖尿病の予防になることを、海外でも発表されています。Nature誌にも掲載されているそうです。
玄米のガンマオリザノールが肥満や糖尿病の予防につながる(糖尿病ネットワーク)
フェルラ酸 美白効果
フェルラ酸は、ポリフェノールの一種で、活性酸素の消去、美白効果、大腸がん発生予防などが期待できます。
私だけでなく、高齢になる母も玄米を食べ出してから肌がきれいになりました。シミも薄くなりました。
男性はとくに効果が出やすいようです。
イノシトール コレステロール効果
イノシトールは、コレステロール値を正常化し、脂肪肝や肝硬変の予防効果、動脈効果の予防になるようです。
健康な体は健康な血液でできます。血管内の余分な油を取ってくれると嬉しいですね。
まとめ(食べ方に注意も必要)
これらは、私が書籍や講座で学んだことですので、参考までに。詳しくはご自身でもお調べくださいね。
便秘や肥満の改善だけでなく、糖尿病やガン、脂肪肝、炎症、アレルギー、ストレス、自律神経失調、脳にも良いと言われている玄米。
世界も注目し、お医者さんたちも注目している玄米ですので、食べ方や炊き方を工夫して取り入れたいですね。
私は、家族の病気をきっかけに玄米発酵食品を食べ始め、7年になります。
食べ始めて変わったことは
疲れにくくなった
便通は悪くなかったけれどますます良くなった
シミが薄くなり、肌の調子が良くなった
体型が良くなった
ストレスに強くなった
胃もたれしない(40代以上の多くの友人が胃もたれに悩んでいる)
風邪をひかない(以前は咳が長引く風邪をよくひいていました)
などです。
数種類の炊飯器を買ったり、圧力鍋を買ったりして、いろいろな方法で玄米を炊いていました。
腸の病気(潰瘍性大腸炎)の夫には、玄米の食物繊維が強すぎたのか出血することもありました。玄米がゆもだめでした。
玄米だけでなく、食べることにいろいろな工夫をした結果、10年以上悩んでいた症状が数ヶ月で改善したという経験をしました。
誰にでも玄米が合うとは思いませんが、試してみる価値はあると思います。
栄養豊富な玄米を食べることができれば、副食のおかずも減らせますし、経済的にもいいですね。日本で昔から食べられている方法ですので、きっと良いのだと思います。